業界今昔物語

第13回〜ドライ機の歴史1

ドライクリーニングの品物の流れの歴史を機械、器具とあわせてみてみたいと思います。

1、マーキング

まず、預かった品物に記名する、マーキングがあります。
店舗ごとに小さな布切れに溶剤でも消えない特殊ペンで記名したり、赤い糸で印をつけたりする工程から始まります。

2、運搬→点検・除塵

品物は運搬袋につめられ工場に送られます。
工場では、運搬袋から取り出した品物のポケット内を点検。
さらに除塵機(ダスターホイル)で回転させ、繊維に付いている砂や塵、埃などの主として鉱物性の付着物を除去することも行われました。

3、洗浄

次いで、洗浄機の中の溶剤につけ込み、回転させて洗浄。
さらに細かい鉱物性ごみ等をボタントラップへ溶剤を回流させて回収します。
繊維の中にしみ込んだ垢や油脂類は溶剤の中に溶解して、逐一、繊維から抜け出してきます。
そのため、溶剤は汚れで色が変化します。

4、脱液

洗浄終了後、品物を脱液機で絞ります。

が、排水口から出てくる排液も、洗浄機に残った液も外部に捨てるわけにはいきません。
そこで加圧ろ過器(プレッシャーフィルター)に溶剤を送り、ろ材と助剤を使って、圧力をかけ細かいごみを除去します。
しかし溶剤に溶け込んだ油脂類はまだ溶け込んだままですので、蒸留器に送り込み、回収します。

この場合、真空蒸留器を使うと蒸発能力が増加し、分解作用、沸点の加減が有利に行われます。
蒸発缶に送られる溶剤はあらかじめ予備器で加熱され、蒸発効果が上がるようになっています。

真空ポンプは冷却槽の一方に接続されていて、蒸留中、絶えず運転。
冷却槽のつくる真空作用と相まって蒸留缶内は減圧され蒸発の促進をはかるようになっています。

蒸発缶および加熱部の汚れの掃除のため、別に備え付けられた苛性ソーダ槽からソーダ液を吸引して、内部掃除装置も設けられています。

これらをコンパクトに接続したものが洗浄装置といわれ、できる限り開放部を少なくし、密閉式にしています。

洗浄、脱液までの工程を同一内胴にて処理し、蒸留、ろ過、乾燥工程とがわかれているものを一時はコールドマシンといい、一体となったものをホットマシンといった時代もありました。

塩素系溶剤では、石油系溶剤と違い、引火性の危険はありませんが、一部の染料に対する脱色、あるいはボタン、バックル、その他の装飾品に対して、溶解等の作用を引き起こすことがあるため、十分な注意とともに知識、経験が必要です。

塩素系溶剤の洗浄機構造は密閉式です。脱液も同一機械内で行うものが多くなっています。

1台で乾燥、回収まで行い、コンパクトにまとめたホットマシンは、全自動ドライクリーニング装置として、また機械表面を美しく仕上げたものが店舗の看板兼処理機として、現在に至るまで製作されています。

国産機械メーカーは、ドイツやイギリス、イタリア等の機械メーカーと技術提携を行ったりしながら、機械の改良につぐ改良を重ねてきました。
環境問題に対応して、外気汚染を予防する種々の機械も登場しています。

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