[技術情報]

洗浄関係:水の再利用

水の再利用は地域によって、洗浄する品種によって、また工場規模によっても条件はいろいろと違ってきます。
中には100%近く再利用している工場もあります。
しかし一般的には、地域による水質の特性の違いがありますから、その土地にあった対応が重要です。

黄ばみの原因?

ある工場でロールを通すと品物が黄ばむという問題があり、洗剤、助剤などいろいろ調査した結果、水そのものが強アルカリだったことが原因という意外な例がありました。
アルカリは特にすすぎ工程で思わぬ問題を引き起こします。
地域によっては鉄分を多く含んでいるところもあります。
通常の洗いでは問題ないのですが、オゾンを使った再利用では鉄分による酸化が進み、品物に着色した例もあります。

再利用したときの問題

再利用の際は濃縮残留する塩基分も考慮してください。
100%再利用を目指していても、これをクリアするため、月に一回は放流しなければいけないというケースもあります。

また、逆浸透膜装置を使えば塩基分は完全に除去することができます。

水の再利用をはかっている工場で、一番問題となるのが水温の上昇です。
新水が井戸水なら下げることができますが、上水だと、特に夏場の水温管理は難しく、蛋白質の凝固、活性汚澱の浄化不良などの問題が起きてきます。
そのため、どこかで冷却する必要があります。

水は洗濯の基本でもあり、最も難しいものといえます。
一概に水の再利用といっても地域によって条件が違ってきますので、いま一度自社の水質を再調査してみることが重要でしょう。

再利用することで、見えなかった水の特性が顕著にあらわれることがありますので、条件にあった再利用を検討してください。