[業界今昔物語]

第12回〜ドライクリーニングの歴史3

ドライクリーニングを定義すると、洗濯する際に水を使用せず、油脂類に起因する汚れや垢を、溶解する揮発性溶剤で衣類の型を変形、収縮させないで洗濯目的を達成するものです。
例えば、ヒダの多い衣類をランドリーで処理すると、ほとんど原形をとどめないまでに型崩れを起こしてしまいますが、これをドライクリーニングで処理すると外観、感触ともほとんど変化がなく、かつ染色の退色も少ない。殺菌、殺虫効果も抜群です。
つまり、衣類保存上、衛生上でも著しい特長があります。

しかしドライクリーニングに使用する溶剤は、それ自体が高価であり、引火性のあるもの、有害なものもあります。
揮発性も高いですし、使用後の液も簡単には廃棄処分ができません。
反復活用しなければならないので、液の回収方法が適当でなければ、さらに高価なものになってしまいます。

回収方法等も現在では相当に進歩して、各種の付加作業も加えた機械が出てきています。

これまでの溶剤を大きく分類すると、

  • 石油系
  • パーク
  • フロン
  • エタン

となりますが、それぞれの洗浄方法にも今昔物語があり、機械の歴史をみることができます。
フロン、エタンは最近まで使われていましたが、オゾン層破壊の問題から規制され、現状では石油系溶剤とパークが主流になっています。
しかし、いずれも環境問題から規制を受けるなどしており、それを解決すべく幾多の研究が行われています。