[技術情報]

洗浄関係:脱水機で絞りジワ

最近の脱水機は著しい性能向上により、1時間当たり生産量3トンという機械も登場しています。

このような脱水機は、高脱水圧でリネン品を絞りますが、新品のリネンや、パーケルなどの品物を脱水した際に、機械の絞りシワがとれないケースがあります。
新品のリネン品には、糸の補強のために付与される糊剤などが使用されていますので、シワがつきやすくなっているからです。

この場合は脱水圧を下げて、シワの発生を防止するわけですが、脱水圧を下げることで品物の残水率が高くなるため、今度はロール側にトラブルが出てくることがあります。

特にロール機にサーモカバーを設置していると、余分な蒸気が溜まり、1本目でバキュームしたときに蒸気も吸いすぎてしまい、パットが湿気をおびてきます。そのため1本目の温度が低下してしまいます。

熱交換の落ちたチェストでは、滑りが悪くなり、濡れたシーツとパットの間で空回りしてしまいます。
そのため品物が入りにくくなったり、カーリングを引き起こしてしまいます。
パットの毛が抜ける現象が起きたり、パットにシミがあがり品物についてしまうこともあります。

脱水圧を下げたことで高くなった残水率をおさえるには、乾燥機の処理時間を長めに設定して、極力、水分を取り除きます。

生産性の問題で乾燥時間の延長ができない場合は、ロール1・2本目のところのサーモカバーをはずして、蒸気を抜く方法がいいでしょう。